3Dプリント納品事例
今回、初めて3Dプリンターによるカスタム部品の納品を行いました。
計測、3Dモデル設計から試作、調整までを一貫対応し、従来の金属製品と比較してコストを抑えつつ、機能性・再現性にこだわった製作を行いました。
納品A:ネジ付きはすば歯車(精密複合形状)



このパーツは、ねじ形状とはすば歯車が一体となった複雑な構造で、特に歯車部分には高精度な噛み合いと寸法管理が求められました。
また、φ2.5の穴が中心に貫通しており、ネジ始まり部分は強度を懸念し、寸法に支障がない程度にプリント後にプリント目を詰める為に一部塗布を施しました。
さらに、ネジ部も特殊なサイズ・ピッチであったため、サンプルと照らし合わせながら出力後に寸法確認を実施。
3Dモデルを微調整→再プリント→確認という工程を複数回繰り返し、精密な仕上がりを実現しています。
- 欠損したサンプルから計測→3Dモデル立ち上げ→プリント→調整を実施
- 歯車のかみ合い、ネジピッチともに実物との一致精度確認
- 概略外形寸法(mm):幅23 × 奥行き23 × 高さ28
納品B:シャフト(四角の穴)



一見するとシンプルな軸状部品ですが、上下で外径寸法(φ)が異なる段付き構造となっており、さらに内部には四角形の貫通穴が設けられていたため、
段差部における強度確保には十分な配慮が求められました。(左:見本、右:3Dプリンター)
- 測定・出力・検証のプロセスを実施
- 概略外形寸法(mm):幅13 × 奥行き13 × 高さ35
使用素材:PETG-CF(カーボンファイバー配合)
両製品とも、高強度かつ実用性に優れた「PETG-CF」素材を採用。
この素材は、取り扱いがデリケートで、適切な温湿度管理を行わなければ強度や仕上がりに影響が出てしまいます。
また、強度を高めるために内部構造を高密度にするほど、出力時間も比例して長くなります。
3Dプリントの可能性と、技術の力
「3Dプリンター=早くて安い」と思われがちですが、実際には素材特性・形状の複雑さ・精度要求に応じた高度な設計と出力調整が欠かせません。
当社では、単なる出力作業ではなく、製品として信頼できる品質のものを届けることを重視しています。
今回も、従来の金属製品と比較してコストを抑えつつも、機能を満たす仕上がりにて納品することができました。
試作品から小ロット対応まで、高精度3Dプリントによる部品再現やカスタム製作をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
構造が複雑なものや、精度を要する再現も丁寧に対応いたします。